映画『とらわれて夏』ネタバレ&感想
Labor Day(2013)

refem da paixao




【あらすじ】
1987年夏、アメリカ東部の小さな町で暮らす母アデルと13歳の息子ヘンリー。
街に車で買い物に出かけるが、そこで出会った脱獄囚フランクに強要され、彼を自宅で匿うことになる。
母子を怯えさせるフランクだったが、家を修繕し、ヘンリーに野球とタイヤ交換を教え、3人でピーチパイを作り…と、この家に欠けていた父性を与えていく。

若くして妊娠した恋人と結婚したものの、生まれた子が浮気相手との子だと疑い、妻を衝動的に殺して服役していたフランク。
ヘンリーを産んで以降は流産と死産とで心を病み、夫にも見放されたアデル。
心に傷を抱えた2人が徐々に惹かれ合っていく一方、思春期に差しかかったヘンリーは、2人の関係に複雑な感情を抱きつつも、頼りがいのあるフランクを慕うようになっていく。

幾度か危機をやり過ごしたものの、ここでフランクを匿い続けることは不可能。
3人は国境を越えてカナダへ逃れることを考え始め、静かにその準備を進めていく。
そして決行の朝、ヘンリーは再婚して近くに住む父に別れの手紙を届けに行くが、帰り道で警官に呼び止められ、家まで送られる羽目に。
どうにか露見を免れ、母と銀行で現金を引き出して戻るが、手紙を読んだ父が連絡を寄越してきたことをフランクから知らされる。
出発を急ごうとしたその時、聞こえてきたのはパトカーのサイレン。
フランクは2人を被害者として椅子に縛ると、アデルにはキスを、ヘンリーにはたくましい男になるようメッセージを残して、警察に投降する。

時は流れ、近く釈放となるフランクは、雑誌のある記事に目を留める。
それは、結婚してカフェを開いたヘンリーが作る、ピーチパイの人気を伝えるもの。
ヘンリー宛ての手紙に、あの夏の5日間が人生最良だったことをしたためると、彼からはアデルが今も同じ家に住んでいるとの返事が届く。
出所し、懐かしいその場所へ足を運ぶと、そこにはひとり佇むアデルの姿が。
互いに歳を取った2人だったが、離れ離れだった時間を埋めるように、ふたたび抱擁を交わす。


【感想】
とっても後味のいい映画よ。
フランクが刑務所で過ごした長い時間や、アデルが待ち続けた同じだけの時間を思うと苦しくなるけど、最後に 救い があるからもう一度見たくなるの。
『とらわれて夏』 っていう邦題は何だか安っぽいけど、中身は丁寧に作られてて、特に登場人物の気持ちの移り変わりを繊細に描写してるところが気に入ったわ。
すばらしい脚本を体現したケイト・ウィンスレットとジョシュ・ブローリンの演技にも拍手。

人によっては、脱獄囚と巻き込まれた母子とが心を通わせる過程に違和感を覚えるかもしれないけど、ワタシは腑に落ちたわ。
キーワードは、"渇望" かしら。
夫に捨てられたアデルは、人生に絶望しながらも、その裏返しでふたたび愛し愛されることを渇望していたはず。
ヘンリーも実の父親との交流は希薄で、フランクとの出会いによって初めて父親という存在を肌で感じたんだわ。
一方、はずみとはいえ妻を殺し、子供も事故死(溺死)させてしまったフランクにとって、愛情を注げる家族の存在は、何ものにも代えがたいものでしょうね。
ただ、アデルとヘンリーについては、ストックホルム症候群 の気(け)もないではないかもしれないけど。

あらすじでは省いちゃったけど、フランクを匿ってることがバレそうになる度にドキドキしたわ!Σ(||゚Д゚)
隣人のジャーヴィスさん(『OZ』のシリンガー役、『セッション』のフレッチャー役J・K・シモンズ)が桃を持ってきてくれたとき。
脳性麻痺のバリーが母親のイヴリン(『レイ・ドノヴァン』のフランシス役ブルック・スミス)にフランクの存在を知らせようとしたとき。
ヘンリーを送ってきた警官(ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク)が家の中にまで入ってきたとき。
こんな具合に脇も 実力のある俳優 が固めてて、作品の質を高めてくれてたわね。

結局、フランク潜伏が露見した原因はどれか確定してないってことでいいのかしら??
ヘンリーと仲良くなった不良少女レイチェルなのか、フランクと鉢合わせしたイヴリンなのか、ヘンリーを送って家まで来た警官なのか、ヘンリーの手紙を心配した父親なのか…。
本命はイヴリン かしらね。

フランクが刑務所に戻ってからも、アデルは決して彼のことを忘れなかったのね。
「刑期が20年延びても、あと3日君といるほうがいい」 的な殺し文句言われたら、無理もないかしらねw
一方で、自分の精神状態とヘンリーのことを考えて、親権を父親に渡したのは英断だわ。
数年後には、ヘンリーは母親のことを思って戻ってくるんだけど。
高校生になったヘンリーが、野球で活躍したり、初めての彼女の前でタイヤ交換をして見せるシーンも心が温かくなったわ。
ああ、フランクに教えてもらったことを忘れてないのね 、って。

そして、フランクが教えた ピーチパイ が。
脱獄で10年、誘拐で15年の刑が加算されて、実際にフランクが何年で(仮)釈放になったかは分からないの。
だけど、その長い年月を越えて、パイがふたたびフランクとヘンリー、そしてアデルを結び付けてくれるなんてね。
記事を見つけて、パイを作ったのがあのヘンリーだと分かった瞬間のフランクの気持ちを想像しただけで、ワタシ泣けてきちゃうわ。・゚・(ノ∀`)・゚・。

最後に 小ネタ をひとつ。
フランク役ジョシュ・ブローリンと、若い時のフランク役トム・リピンスキー(『SUITS/スーツ』のトレヴァー役)って激似じゃない?

Tom-Lipinski-Josh-Brolin.jpg

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コメント

  1. あり | -

    こんにちは!
    私も大好きな映画です!!飛行機で観て、機内で号泣(T_T)隣の人にバレないように必死でした。

    こんなかっこよくてセクシーな脱獄囚なら、私でも恋におちるわ〜!って思っちゃいましたが(笑)

    パイでの終わり方まで大満足な映画ですよね。

    ( 18:11 )

  2. Ricky247 | -

    あり さん

    ありさんと趣味が合ってうれしいわ♪

    すごく真面目に作ってあって、地味と言えば地味だけどいい映画よね。
    ワタシも2回見て2回ともラストで泣いちゃったわw
    もっと評価されていい気がするけど、安っぽいタイトルで損してるのかしら。

    ワタシやありさんのところにも、あんな脱獄囚こないかしらね~(*´ー`*)ーЭ
    いくらでも匿ってあげるし、どこへだって逃避行しちゃうのに!(`・ω・´)

    ( 20:10 )

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